4hei4heiのブログ

主に読書/視聴メモとか、やったことを書こうと思っています。

『グッドバイ ~嘘から始まる人生喜劇~』の視聴メモ

はじめに

Netflixで『グッドバイ ~嘘から始まる人生喜劇~』を観たのでその視聴メモです。

https://www.netflix.com/browse/my-list?jbv=81342812

原作は読んだことない。太宰治作品は少し読むが、作風についてはあまり詳しくなく、「太宰作品は〜な作風が特徴的で...」と語るほどの知識はないです。

以下、文中では敬称略。

あらすじ

舞台は戦後の復興期。

文芸雑誌の編集長・田島周二(大泉洋)は優柔不断ながら、何人もの愛人を抱えていた。

郷里に疎開している妻(木村多江)と一人娘と共に暮らすため、田島は彼女たちと別れる決心を固めた。

田島は親しくしている作家(松重豊)の知恵を借り、偽の妻を用意して共に愛人たちを訪ね歩くことで自分を諦めさせることを計画する。

田島は闇市で一人の美しい女性を見かけ、彼女に妻の役を依頼しようと画策する。

闇市に住む金にがめつい旧知の担ぎ屋・キヌ子(小池栄子)にその女性について聞くと、それは自分だと言う。

疑う田島だが、キヌ子が泥だらけの顔を洗うと、誰もが振り返るほどの美女になった。
こうして田島は愛人と別れるため、キヌ子は金のために偽夫婦を演じることになる。

 

雑な感想

ストーリー

原作が未完とのことなので、うっすらとその点を念頭に置いて視聴しました。また、あらすじとキャスト情報以上の予備知識はない無いまま視聴を開始しています。

序盤から中盤までは、恐らく原作に沿っているであろう展開をコメディタッチに描いている印象。主人公の状況だけを考えると何も笑える要素はないです。切迫感や焦りで切羽詰まっている人間を傍から見たら滑稽に見えることがありますが、まさにそういう感じでした。大笑いするコメディではなく、トラブルを前に必死に駆け回っている者を見て、思わず笑ってしまうタイプのコメディ。また、愛人たちが次から次へと現れるため「次は誰が出てくるのか、どういう人物像なのか」という思いで観ることができました。展開もテンポ良く進むので、その点のストレスもなかったです。ネガティブな面を強いて挙げるなら、こういった不倫関連の作品で連想されるような、修羅場らしい修羅場はなく、淡々と進む点が少々肩透かしでした。(あるのかなぐらいに思っていたので)

ですので、大きなインパクトやウリはないかもしれないですが、ネガティブな面も少なめで、まとまった作りに思いました

終盤、おそらくここから後付けだろうという箇所は明確に時系列が飛ぶので分かりやすかったです。後付け(と思われる)部分はいかにもハッピーエンド風に仕上げるために見えたので、人によっては蛇足に感じるかもしれません。(『走れメロス』的な終わりになった気がする)原作が未完である以上、何らかのエンディングを追加しようとなったのだろうと推測できるが、であれば時系列を少し飛ばしすぎに思うので少々無理があるような印象を受けました。ただ「まあそういうエンドになるよね」という終わり方ではあるので、視聴後の後味も良いのではないかと思います。実際後味は良かったです。

 

キャスト

主人公の田島は優柔不断な浮気男の雑誌編集長という設定でしたが、キャラクターと大泉洋のイメージがはまっていたように思います。「いかにも不肖不肖という様子で文句を垂れつつ行動する大泉洋」という構図を楽しめるのであれば、その時点で本作に一定水準以上は満足できるのではないかと思います。これは演者の好みもあるので、万人がそうではないはず。

 

もう一人の主人公キヌ子は小池栄子が演じていて、貧しく大食いで品がないが美しい女性、という設定。整った顔立ちだが、話し方はなるほど如何にも品がない、という様子がそのまま表現されていました。「闇市の人間が如何にも無理して良家の妻を演じている」という様子がコメディタッチの雰囲気にも一役買っている印象。

 

完全に余談ですが、大泉洋小池栄子は2022年大河ドラマ『鎌倉殿の十三人』でも夫婦役(≒バディ役)でキャスティングされています。役同士の関係は少し違ったものにはなることが推測されるが、小池栄子に押され気味の大泉洋、という構図は(源頼朝北条政子という配役なので)恐らく見られるのではないかと思います。本作を通じて、そちらでのお二人を拝見するのも楽しみになりました。

 

おわりに

原作未読での視聴だったが、原作も読んでみようと思いました。

単純に、大泉洋目当てで観ても楽しめるのではないかという話でした。